ギャンブル（パチンコ、スロット、オンラインカジノ、競馬、競輪、競艇、オートレースなど）は、はまりすぎてしまうと、多くの人を経済的、精神的に苦しめるものとなります。
ギャンブルのために借金が膨らんでしまう方も珍しくありません。
また、投資・投機（仮想通貨取引やFX、バイナリーオプション、株取引など）も同じ問題を抱えています。

最近の傾向として、ギャンブルはネット投票の導入により、競馬や競輪等の「実物」を見ずして賭けることが簡単にできるようになったため、単なる数字だけのギャンブル化してしまい、多額の借金をしてしまう方が増えています。

また、投資に関しては、FX取引により短期間で数百万円もの借金を抱えてしまう方が多く、特に２０～３０代の方からの相談が増えているように感じています。

ギャンブルや投資による借金だからといって、債務整理ができない、苦しい生活から脱却できないということはありません。
債務整理をし、生活を再建することは十分に可能です。
この記事では、ギャンブルや投資による借金と債務整理について、具体的な方法と注意点を解説します。

ギャンブルや投資による借金の特徴

ギャンブルや投資による借金は、以下のような特徴があります。

●借入額が膨らみやすい
ギャンブルや投資が原因によって借金をしている場合、負けを取り返そうとして短期間で借入額が一気に膨らみ、返済が困難になるケースが多いです。

●精神的な負担が大きい
ギャンブルや投資によって借り入れをしてしまっているため、罪悪感や不安感、焦燥感などに襲われ、冷静な判断が困難な状況になってしまいます。抑うつ状態になっている方もいます。

●再度借り入れをしてしまう可能性が高い
一時的に借金の問題が解決したとしても、ギャンブル依存の状態にまでなっている場合には、ギャンブル依存自体を解決しない限り、ギャンブルと借金を何度も繰り返してしまうケースが多くあります。

他の借金問題とギャンブルや投資による借金問題の最大の違いは、ギャンブル・投資による借金は背後にギャンブル依存という問題が隠れているという点です。
したがって、ギャンブル・投資による借金を整理する際には、借金問題と同時にギャンブル依存とも向き合う必要がある、ということも念頭に置く必要があります。

ギャンブル・投資による借金を整理するには？

ギャンブル・投資による借金の整理には、通常の債務整理と同じく、任意整理・個人再生・自己破産という３つの方法があります。

ギャンブル・投資による借金と任意整理

任意整理とは、司法書士などが債権者（貸金業者、クレジットカード会社など）と直接交渉し、返済方法、返済条件の見直しを行う手続きです。
具体的には、将来利息をカットし、残りの元金を3年〜5年程度の分割払いにすることで、月々の返済負担を軽減します。

ギャンブル・投資による借金と任意整理

任意整理は、ギャンブル・投資による借金に有効な手段の一つです。
なぜなら、任意整理は裁判所を通さない債権者との交渉による返済方法のリスケジュールであるため、自己破産のような免責不許可事由（ギャンブルなどの浪費行為）による制限を受けないからです。
ただし、任意整理を行っても返済が困難な場合には、他の手続きを利用します。

個人再生とは？

個人再生とは、裁判所による再生計画の認可を得て、借金の一部を減額し、残りを原則3年（最長5年）で分割返済する手続きです。
住宅ローンがある場合、住宅ローン特則を利用すれば、住宅を手放さずに借金問題を解決可能なケースも多いです。

ギャンブル・投資による借金と個人再生

個人再生は、自己破産のような免責不許可事由（ギャンブルなどの浪費行為）による手続きへの制限がないため、ギャンブル・投資が原因の借金の整理についても利用可能であり、効果的な手段となります。
ただし、個人再生は裁判所に申立をする手続きであるため、裁判所に返済計画の履行可能性を示す必要があり、「この先支払っていける能力があるか」が問われます。

ギャンブル・投資による借金と自己破産

自己破産とは、裁判所に免責を認めてもらい、借金の支払義務を全額免除してもらう手続きです。
全ての借金をゼロにすることができる、債務整理方法です。

ギャンブル・投資による借金と自己破産

自己破産は、ギャンブル・投資による借金でも利用可能ですが、ギャンブル・投資による借金では自己破産が難しいこともあります。
なぜなら、ギャンブル・投資などの浪費行為は免責不許可事由に該当するため、免責許可決定が下りず、破産できないことがあるからです。
ただ、ギャンブル・投資が原因であっても、裁判官は個々のケースを総合的に判断し、裁量によって免責を認めることがあります。

まとめ

ギャンブル・投資による借金を整理するには、ギャンブル依存の問題と借金問題の2つの問題を解決しなくてはいけません。
ギャンブル依存については、再発防止のため精神科医や専門機関によるギャンブル依存症の治療を受ける必要があります。
借金問題については、債務整理などの法的な手続きを利用することになりますので、専門家である司法書士・弁護士などに依頼することになります。