借金が膨れ上がってしまった場合、任意整理、個人再生、自己破産といった手続きが利用されるのが一般的ですが、「特定調停」という裁判所を介した手続きが利用されるケースもあります。
本記事では特定調停とは何か、特定調停のメリット・デメリットとしてはどのようなものがあげられるのかについて解説していきます。

特定調停とは

特定調停とは、簡易裁判所にて行われる手続きであり、調停委員の協力のもと、債務者が債権者と借金の減額や分割払いの条件について交渉を行う手続きのことをいいます。
なお、債務整理手続の一つである任意整理も、分割払いや利息のカットについて債権者と交渉を行う点で特定調停と共通していますが、任意整理はあくまでも当事者間のみで行われるのに対し、特定調停は裁判所を介して交渉を行う点で両者は異なります。

特定調停のメリット

特定調停のメリットとしては①引き直し計算を行うことにより借金を減額することが可能であること②手続きが比較的簡単であることが挙げられます。

①引き直し計算について

特定調停では、任意整理と同様に借金をした当初に遡り利息制限法の上限金利まで金利を下げて再計算が行われます。
また、調停成立後の分割弁済には将来利息を付さないとすることが原則ですので、利息のカットによる借金の減額を期待することができます。

②手続きが比較的簡単であること

特定調停を利用するためには簡易裁判所に申し立てを行うことが必要となりますが、申し立てに必要な書類は簡易裁判所に備え付けられています。
必要事項を記入し提出をすれば、本人のみで手続きを進めることも可能です。

特定調停のデメリット

特定調停のデメリットとしては①ブラックリストに掲載される②返済計画を守れなかった場合強制執行がされる可能性がある事が挙げられます。

①ブラックリストに掲載されることについて

特定調停に限ったものではありませんが、債務整理手続を行った場合、債務者の事故情報が信用情報機関に登録される（いわゆるブラックリストに掲載される）ことになります。
したがって、新たな借り入れやクレジットのカードの作成 をすることが一定期間できなくなってしまいます。

②強制執行の可能性について

特定調停を利用し調停が成立した場合、調停調書が作成されることになります。
この調停調書は判決と同じ効力があり(債務名義といいます)、返済を怠ると強制執行として給料等が差し押さえられてしまう可能性があります。

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